「テニス肘」
という疾患名をお聞きになったことはありませんか?
この疾患名は通称で、正しい名称は「上腕骨外側上顆炎」といいます。
「テニス肘」という名称からテニスをやっている方がなる疾患と思われがちですが、テニスを
やっている方だけでなく、手を使う軽作業をしている方や、パソコン操作をされる方にも
よくみられる疾患です。
これは肘の外側にある筋肉の使い過ぎによる炎症によるです。
上腕骨外側上顆は肘の外側の骨が隆起した部分です。
外側上顆には手首を反らす筋肉群が付着しています。
[症状]
上腕骨外側上顆炎の症状は、物を持ち上げる瞬間に肘が痛くなるとか、
物をねじる瞬間に肘が痛くなるとかなどの症状が見られます。
タオル絞りなどの動作を行うことで肘が痛くなったり、テニスをするときにラケットを
バックハンドでにぎってボールを打った瞬間に肘が痛くなったりします。
安静時には痛みは出ません。
[治療方法]
ほとんどの場合、上腕骨外側上顆炎は保存的治療で治ります。
アイシング、電気治療、ストレッチを中心に行っています。また、鍼治療も効果があります。
痛みが強い場合は、エルボーバンドを装着して、上腕骨外側上顆の手前で、手首を返した時の伸筋群の
牽引力を緩和します。
以上のように、上腕骨外側上顆炎は使い痛みの要素があるので、患部に負担がかからないような
動作を日ごろから行ったり、仕事上の動作を変える工夫をすることで治ってきます。
治る時期は個人差がありますが、だいたい1ヵ月ぐらいすると、痛みが気にならないくらいになってきます。
上腕骨外側上顆炎は治療をせず痛みを我慢していると長期間痛みがひかないこともあります。
肘に痛みが出たら我慢せず、早めに治療することをお勧めします。